虹がかかる六月に - 井坪工務店|長野県飯田市の工務店

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井坪 寿晴
代表ブログ
POST:井坪 寿晴 2025.06.13

虹がかかる六月に

皆さんこんにちは、社長の井坪です。

六月になり紫陽花の花が色づきはじめました。

庭先では雨粒をまとった草木が、静かに季節の移ろいを知らせてくれます。

 

 

さて皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

この時期、井坪工務店では毎年恒例の「社員面談」(社員側からすると“社長面談”ですね)が始まります。

全員と一対一、30分ずつ。
年齢も経歴も違う社員たちと、じっくり向き合うこの面談は、私にとって一年の中でも特別な時間です。

普段の何気ない会話の中では見えてこない悩みや迷い、あるいは本人も言葉にできずにいた思いが、この場でぽつりとこぼれ出る。
そんな瞬間に立ち会うたび、「面談をやって良かった」と心から感じます。

今年も、30年を超えるベテランから、入社1年目の新人まで、それぞれの立場で悩みながらも、皆が「もっと良くしたい」という気持ちを胸に、すでに多くの課題に気づき、自らの言葉で語ってくれました。

その姿に、頼もしさと未来への希望を感じずにはいられませんでした。

実は、私が社長に就任したのも、ちょうどこの季節。
2006年6月11日。今から19年前のことです。
あの日の私は、すべてが手探りの“新米社長”でした。

当時から今に至るまで、さまざまな出来事がありましたが、気づけば私も、もう「新米」とは言えない年数を重ねてきました。

面談とは、社長である私が社員を励まし、奮い立たせる時間。

そう思っていたはずが、最近はどうやらその逆になってきたようです。

むしろ私の方が、社員たちの言葉や表情に励まされ、背中を押されています。

「がんばります」と言ってくれた彼の眼差しに。
「まだまだやれますよ」と笑った彼女の声に。
「自分もまだまだやらねば」と、気持ちが奮い立つ。

雨空が続くこの季節。
けれど、私の心は不思議と晴れやかです。

一人ひとりと向き合い、語り合う面談の時間は、まるで曇り空の合間から差し込む光のように、気づきや希望、そして温もりを運んできてくれます。

「ちゃんと見ていてくれる」
「分かってもらえた気がする」
そんなふうに感じてもらえたなら、社長としてこれ以上の喜びはありません。

けれど実際には、私のほうが多くを受け取っているのかもしれません。
日々の現場で黙々と働く姿。
壁にぶつかりながらも前を向こうとする覚悟。
小さな変化に気づき、改善しようとする意志。

その一つひとつが、「この会社をもっと良くしたい」と願う社員のまっすぐな想いとして、
確かに私の心に届いています。

面談を終えるたびに、胸の奥に、小さな虹がそっと架かるような…そんな感覚が残ります。

社員たちの声が、表情が、言葉が、この季節の雨空を吹き払う力になる。

そして私はまた、あの日と同じように、けれどあの日よりもずっと確かな覚悟で、社長という役割に立ち返るのです。

そんな六月を、今年もまた迎えられたことに感謝!