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POST:井坪 寿晴 2025.05.09
渋滞も行列も、家族のスパイス
皆さんこんにちは、社長の井坪です。
4月末のある朝、右膝がズキリと痛み出しました。「なんだこれは?」と様子を見ていたら、かばっていた左膝が今度は「俺にも限界がある」と言わんばかりに悲鳴をあげ始め、気づけば両膝痛のままゴールデンウィークに突入…。
そんな“両膝の抗議”のおかげで、今年の連休は自宅で静養することとなり、どこへも出かけることなく、じっくりと静かな時間を過ごしました。
さて皆様は、どんな連休をお過ごしでしたでしょうか?
静養生活は、実に規則正しいものでした。毎日が早寝早起き。朝のワイドショーには、行楽地へ向かう車の大渋滞が映し出され、「あんな混雑の中、よく行くもんだ」とソファに腰かけ、膝にアイスノンを当てながらつぶやく私。でも、画面の向こうの家族連れは、きっと車内で歌でも歌いながら、その渋滞さえも楽しんでいるのでしょう。
思い返せば20年以上前、結婚したばかりの私は「人混みは御免」と言い切る典型的なタイプでした。お祭りも、花火大会も、「あんな混んでて身動き取れないところになんて行くもんか!」と、家でビール片手に過ごすような人間でした。
そんな私に、妻はよくこう言いました。
「こういうときは、こういう“混雑”も含めて楽しむのよ」と。
長女が歩き始めた頃のことです。ある日、家族会議で「ディズニーランドに行く!」と決まりました。「あの混雑の中に、幼い子を連れて?」と難色を示す私をよそに計画は進み、当日、案の定、高速道路は大渋滞。到着したディズニーランドは、想像を超える人・人・人…。
「これはもうダメだ…」と諦めかけた時、妻が「パレードを見よう!」と私たちをさらなる人混みの真っただ中へ。しかし長女を肩車して見上げた空は青く、キラキラと輝くキャラクターたちがとても眩しく、気がつけば私も笑顔になっていました。
そして、楽しみにしていたアトラクション巡り。
しかしどこに行っても行列、また行列。「混んでるな〜」と苦言ばかりの私に、妻がふとこう言いました。
「ここでは、並んでる時間も含めて楽しむのが大事なんだよ」
最初はピンと来ませんでしたが、列に並ぶうちに不思議なことが起きます。普段家ではしないような会話が生まれてくるのです。
「あのキャラクター、なんて名前だっけ?」
「あっ、あそこに〇〇がいる!」
長女の目が輝き、妻が笑い、私も自然と笑顔になる。
実際、振り返ると、待ち時間や移動中の会話が、たくさんの思い出として残っています。まさに妻の言葉通りでした。
今年のゴールデンウィークは、膝の痛みとの静かな戦いでしたが、テレビに映る渋滞のニュースを眺めながら、ふと、あの頃の車内での歌声や、ディズニーランドの列での会話を懐かしく思い出していました。
年齢とともに体のあちこちが悲鳴をあげるようになりましたが、心はまだ若いつもり。来年の連休こそは、しっかり体調を整えて、再び「混雑さえも楽しむ旅」へ出かけたいと思います。感謝!