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POST:井坪 寿晴 2026.05.15
そっと押す人
皆さんこんにちは、社長の井坪です。
だいぶ前の話です。どこかのビルのエレベーターで、ある男性と乗り合わせました。
その人が降りる階に着いた時、彼はふっと後ろを振り返りました。降りるのは自分だけだと確かめた後、「閉」ボタンをそっと押してから降りていった。
ただそれだけのことです。でも、すごくカッコよかった。

誰に見せるわけでもない。声に出して感謝されるわけでもない。ただ、後に乗っている人の時間を一秒でも無駄にしない。その所作に、なんというか、大人の男を感じました。
以来、私もそれをやっています。もう何年になるかわかりません。
最近ふと気づいたのは、エレベーターの中でスマホを見ている人が増えたな、ということです。別に悪いことではありません。私も見ます。ただ、降りる時にボタンのことまで気が回る人は、少し減った気がします。
こういう気遣いって、教わるものじゃないと思います。どこかで誰かの所作を見て、「いいな」と思って、自分もやってみる。それだけのことなんですが、それだけのことが意外と続いている。
たぶん、あの人のことを覚えているから続いているんだと思います。名前も顔も覚えていない。でも、あの「そっと押す」一瞬だけは、はっきり残っている。
人の記憶に残るのは、大きな言葉じゃなくて、こういう小さな所作なのかもしれません。
今日も、誰かの一秒をそっと大事にできる男でいたいと思います。
感謝。