当たり前だった景色の終わる日 - 井坪工務店|長野県飯田市の工務店

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井坪 寿晴
代表ブログ
POST:井坪 寿晴 2026.03.06

当たり前だった景色の終わる日

皆さんこんにちは、社長の井坪です。
3月に入り、日中は春の暖かさを感じるようになりました。
朝晩はまだ冷えますが、空気のどこかにやわらかい気配が混じりはじめています。
いよいよ今年も桜の季節がやってきますね。

 

さて、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

先日の朝礼で、大工の近藤直くんが“ありがとうスピーチ”をしてくれました。

昨年の暮れ、第一子となる娘さんが生まれたばかり。
テーマは「生まれてきた娘へ」。

とにかく娘が、自分に力をくれている。
そんな真っ直ぐな想いが、彼の言葉からあふれていました。

その中で彼が話していたのが、北沢工事リーダーの言葉。
「責任を力に変えて…」

この言葉が、今の自分の胸に深く刺さっているのだと語っていました。
きっと今の彼の立場だからこそ、その言葉の重さと意味が、まっすぐ届いたのでしょう。

「立場や環境が人を育てる」
よく聞く言葉ですが、本当にその通りだと思います。

子どもが生まれた瞬間から、人は突然“父親”になるわけではありません。
子どもと過ごす時間の中で、少しずつ父親にさせてもらう。
そんなものなのだと思います。

実はそんなことを、私自身も思い出しました。

我が家の末っ子、長男が今週高校の卒業式を迎えました。
クラスの仲間との最後の親睦会のあと迎えに行った帰りの車の中で、彼がぽつりと言いました。

「当たり前に続くと思っていた景色が終わる日、それが卒業式なんだな。」

なるほどな、と思いました。

まあ、確かにそうだ。
でも同時に、これからのスタートでもある。
そして今の仲間は、きっと生涯の友になる。

そんな話をしながら
「お前も頑張れよ」と声をかけました。

よく考えてみると、これは息子の卒業式であると同時に、
高校生の子を持つ親としての、私自身の卒業式でもあるのかもしれません。

人生には、はっきりとした区切りがあるものもあれば、
気づかないうちに通り過ぎていく節目もあります。

ただ一つ言えるのは、年を重ねるほどに出会う“責任”というものは、
ただの重りではないということです。

それはむしろ、自分を育ててくれる“切符”のようなものかもしれません。

そのステージには、苦みも痛みもあります。
でも同時に、そのステージでしか味わえない喜びや経験、
そして気づきがあることも、私は知っています。

父親になったばかりの近藤くんが、
そんなことを思い出させてくれる朝でした。

きっと彼はこれから、父としても、大工としても、
今まで以上にいい仕事をしていくのでしょう。

ありがとう。

春は、別れの季節でもあり、
同時に新しい物語の始まりでもあります。

そしてきっと、
人は責任を背負うたびに、少しずつ大人になっていくのでしょう。

だから私もまた、
今日の責任を力に変えて歩いていこうと思います。

感謝。